Posted date : 2020.08.11
一体どうやって撮影したんだろう?と思ってしまうような、幻想的なTHETAの編集画像をインスタグラムなどのSNSで見かけることはありませんか?
今回は、インスタグラムで素敵なTHETAの編集画像を投稿されているtetsuさんに、THETAの撮影・編集のコツや、現在お使いのTHETA Z1についてお話を伺いました。
目から鱗が落ちるような、360度カメラ THETAの撮影・編集方法もこっそりご紹介頂きました!
tetsuさんが写真撮影をされている背景や、THETAとの出会いについて教えて下さい。
写真は趣味で撮影しています。10年程前からPENTAXの一眼レフを愛用しており、徐々に写真撮影にのめり込んでいきました。途中からPENTAXの魚眼レンズを使った撮影に興味を持つようになり、そこから「より広角な撮影がしたい」とTHETAに興味を持ち、4年程前にTHETA Sを購入しました。
THETAで撮影した360度画像は、主にTHETA+アプリでリトルプラネットに編集して、インスタグラムに投稿しています。
昨年末にTHETA Z1を新たに購入されたそうですが、Z1を購入した背景は何だったのでしょうか?
THETA Z1が発売されたことは、リコーイメージングから定期的に送られてくる情報で知っていました。実際にリコーイメージングのショールームでTHETA Z1を触った際、自分が使っていたTHETA Sとは全然違うと感じ、そこからZ1がずっと気になっていました。
購入を決めたのは、昨年末に参加した東京カメラ部主催の丸の内フォトジェニックの撮影イベントがきっかけです。
【丸の内フォトジェニックで撮影したTHETAの画像】
モデル:@_.akanen._
フォトウォークでの撮影イベントだったのですが、撮影時間が夕方~夜にかけてのものでした。薄暗い場所での撮影が中心になるため、それまで使用していたTHETA Sでは撮影が厳しいと思い、THETA Z1の購入を決めました。
Post from RICOH THETA. – Spherical Image – RICOH THETA
【THETA Z1で撮影:上の画像の360度画像】
THETA Z1を使ってみて、良かった点はどこでしょうか?
一番は、F値を変えられることです。薄暗い夜のイルミネーションの街並みも、F値をF3.5~F5.6の高めに設定することで、シャープに撮影することができました。
また、Z1で撮影した360度画像をリトルプラネットで編集した際、奥の方に映る背景も、はっきり綺麗に画像に映っている点も気に入っています。
【THETA Z1で撮影】
現状、THETAシリーズでF値を変えることができる機種はZ1のみ(F2.1、F3.5、F5.6の三種類)なのですが、Z1のF値の設定もご活用頂いているようですね。
はい。また、THETA Z1で撮影した画像は、編集アプリTHETA+で画像を編集しても、引き延ばされた端の方も鮮明で綺麗に表現できるので気に入っています。
THETA Sで撮影した画像は、THETA+アプリのリトルプラネットに編集すると、画像の端が少しぼやけるため、そこを調整するための画像編集が大変でした。THETA Z1は画像の端まで画質が良く、綺麗に撮影できるため、調整することが減りました。
THETA Z1はRAW撮影が可能ですが、RAWでの撮影もされていますか?
一応RAW+(JPEGとRAWデータを同時撮影)でも撮影していますが、ほとんどJPEGデータしか使っていません。
もともとTHETA の気に入っていたポイントのひとつが、「スマホで編集まで完結できる」という点でした。Z1で撮影したJPEG画像は解像度が高いため、Lightroomアプリ等での編集時も粗くなりにくく、使いやすいです。
【THETA Z1で撮影】
ただ、今後フォトコンテストに参加するなど、「ここぞ!」という時は、ぜひZ1のRAWデータで撮影・編集してみたいと思っています。
私は、一眼レフで撮影した画像も基本スマホだけで画像編集しています。THETA Z1のRAWデータは通常PCでないと閲覧できませんが、最近はスマホに直接Z1のRAWデータ(DNGファイル)を転送できるアプリや、編集した画像をスマホ上でスティッチ(360度につなぎ合わせる)できるアプリがあると聞きました。ぜひこちらも試してみたいです。
THETA Z1とVは、プラグインという機能拡張が可能ですが、現在何か使用されているプラグインはありますか?
いえ、そういう機能があることを知りませんでした。具体的にどんなプラグインがあるのでしょうか?
例えば、「Time shift shooting」という機能があります。これは、片側レンズ毎に時差で撮影する機能なので、撮影者が撮影していない方のレンズに移動することで、撮影者が映り込まない撮影を簡単にすることができます。
そんな便利な機能があったんですね!もう隠れるために頑張らなくてもいいんですね・・・(笑)。
【THETA Sで撮影】
THETA Sでの撮影に慣れていたので、Z1独自の新しい機能や撮影方法にトライする機会がなかったのですが、プラグインなど、Z1ならではの機能も今後試してみたいです。
tetsuさんは「リトルプラネット」の編集画像がとても素敵ですが、いつもどのようなシーンを選んで撮影をされているのでしょうか?
よく撮影に行くのは、立川の昭和記念公園です。また、花が広く咲いているところや、周りを高いもので囲まれているような場所、例えば木々や、都会でいうとビル群のようなところだと、THETA+アプリで「リトルプラネット」に編集したときに画像が映えます。
【THETA Sで撮影】
風景だけ撮影したい時は、花などポイントとなる被写体をひとつ決めて、THETAをその被写体に近づけて三脚を立てて撮影します。風景の間に自分や人を入れることもあるのですが、その時はTHETAから「3歩」「5歩」「10歩」と、シーンによって距離を決めて撮り分けています。
同じシーンをそれぞれの歩数で撮ってみて、良い画像を選ぶ、というイメージでしょうか?
いえ、THETAからどの歩数の距離で撮影したらどういう画像になるのか具体的なイメージはついているので、最初からどの距離で撮影するか決めています。ちなみに、歩数は自分の靴のサイズで測っています。
【THETA Z1で撮影】
例えば上の画像は、THETAから「10歩」離れて撮影した画像です。
また、下の画像は「5歩」離れて撮影した画像です。
【THETA Z1で撮影】
撮影時はどのような三脚を使っているのでしょうか?
三脚は4種類持っていて、シーンによって使い分けています。例えば、ネモフィラなど低い花を撮るときには、地面すれすれの高さの三脚を使っています。
【ご使用の三脚】
下のように向日葵のような高さの花に合わせて撮影するときには、2メートルくらいの高さになる3脚のスタンドを使用しています。
【THETA Sで撮影】
また、最近はこのような三脚につけて、さかさまにして木にくくりつけて撮影することにも挑戦しています。
【逆さまに設置したTHETA】
逆さづりのZ1は、なかなかレアな風景ですね・・!
少し前にも、枝が迫ってくるような臨場感を出したくて、桜の木に逆さにしてくくりつけて撮影してみました。
Post from RICOH THETA. – Spherical Image – RICOH THETA
【THETA Z1を枝に吊るして撮影】
新しいTHETAの撮影の楽しみ方を、日々模索しています(笑)。
【THETA Z1を枝に吊るして撮影】
こちらのアジサイの編集画像はとても素敵ですね!アジサイに囲まれるような場所で撮影したのでしょうか?
【THETA Z1で撮影】
これは、アジサイがZ1と至近距離で、周りをぐるっと囲んでいるような場所で撮影しました。
Post from RICOH THETA. – Spherical Image – RICOH THETA
【THETA Z1で撮影】
ただ、上の編集画像は、2種類のTHETAの編集画像を組み合わせたものなのです。
え、そうなんですか!
奥行きを出すために、違う高さで撮影した360度画像をリトルプラネットに編集し、それをPhotoshopアプリで編集して写真を重ね、それをさらにLightroomアプリを使って色味を編集しました。
Photoshopアプリでの画像編集もよくされているのでしょうか?
はい、もちろん一枚撮りの編集画像も多いですが、Photoshopで画像を組み合わせることもあります。
たとえば下の画像は、昼と夜の画像をPhotoshopで組み合わせたものです。
【THETA Z1で撮影:Photoshopで編集後】
昼間に撮影した菜の花畑の画像に、他のシーンで撮影した夜の星空の画像を組み合わせました。テーマは「銀河鉄道の夜」です。
【THETA Z1で撮影:上の画像の星空部分】
そうだったのですね・・!もしかしたら、この電車も合成なのでしょうか?
いえ、これは実物です(笑)。電車が通る瞬間を待ち構えて、自分は菜の花畑のわきに横になって隠れた状態で撮影しました。
【THETA Z1で撮影:上の画像の菜の花・電車部分】
田舎だったので、1時間に1回しか電車が通らない場所です。結局、3時間くらいかけて撮影しました。
Lightroomアプリの画像編集のコツはなにかありますか?
Lightroomアプリは無料版もありますが、私が使っているのは有料版です。有料版は部分補正ができるので、例えば画像の周りだけ明瞭度やシャドウを上げ、中央の画像と強弱をつけて奥行き感を出したりもします。
【THETA Sで撮影】
普段から、一眼レフで撮影した画像も含めてすべての画像編集をスマホでされているそうですが、お使いのスマホはどのようなものでしょうか?
iPhone 7 plusです。かなり指の先を使って編集しているので、周りからは器用だと驚かれることもあります(笑)。
最後に、THETA Z1の魅力についてお聞かせください。
とにかく解像度が良いことがZ1の魅力です。私はリトルプラネットに画像編集することを目的にTHETA撮影をしていますが、先ほどお話したように、編集しても画像が粗くなりにくく、画像周辺の画質も良いため編集しやすいです。
また、THETA Z1は夜の撮影に向いていることも最近分かってきたので、夜のシーンでの撮影も色々とトライしてみたいと思います。
ありがとうございます!これからも、優しく素敵なTHETAの画像を楽しみにしています!(平川)
使用機種: THETA S、THETA Z1
Instagram: @tetsu_photo2